最近は本当に自然災害が多くなりましたね。
雨や風の災害も年々激甚化していて、いつ、何処で被災してもおかしくなくなってきました。
災害を想定した備えも考えだすとキリがないように思います。
されど、やはり災害に備え、防災、減災につなげたいものです。
【応急危険度判定】【罹災証明】【地震保険】
3つの建物調査の違いについてご紹介します。
建物の調査には、
◯地震や災害の時にどれだけ建物が耐えられるか、の調査 なのか、
◯省エネに関する調査 なのか、
◯単に建物の健康状態を知る調査 なのか、
などなど色々ありますが、それぞれ目的や用途により、少しづつの違いがあります。
今回は、災害が起こった場合に実施される建物調査についてです。
こちらでは、地震災害 被災時 の建物調査 についてご紹介します。
【応急危険度判定】【罹災・被災証明】【地震保険】
応急危険度判定
「建築物の応急危険度判定活動」とは、大規模地震の発生直後に各市町村の地域防災計画に基づき、実施されます。
「応急危険度判定士(行政職員及び民間建築士等)」が、被災した建築物の余震等による倒壊や部材の落下等の危険性を応急的に判定し、人命に係る二次被害を防止することを目的とした緊急調査です。
「危険」「要注意」「調査済」の3種類の判定ステッカーを直接、建築物やブロック塀等の見やすい場所に貼り付け、居住者や付近を通行する歩行者などに対して、その建築物等の危険性について情報提供を行います。
建築物の恒久的な使用の可否を判定する調査や、「罹災証明書」及び「被災証明書」の発行を目的とした被災家屋の調査とは異なります。
応急危険度判定 まとめ
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内容:当面の使用可否判定
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目的:二次災害防止
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調査:市町村職員・応急危険度判定士(建築士)
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時期:被災後1〜2日より1週間
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判定区分:3区分
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受けられる支援:建築物使用可否の判断
罹災(り災)証明(住家の被害認定)
罹災証明書および被災証明書は、火災や自然(地震・水)災害による物的な被害について、自治体などが認定した証明書です。保険の請求や、被災者支援の制度を利用する際に必要となることがあります。
損壊状況の調査により、被害の程度は「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などの4区部に分けられます。
罹災証明書発行の対象となる災害は、地震以外にも、暴風、竜巻、暴雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象など、国や都道府県が指定した災害となるため、自治体により異なることがあります。
罹災証明書を発行する機関は火災の場合には消防署になり、火災以外の自然災害などの場合には市区町村となります。
罹災証明書が発行されると、所得税や関連する県民税、市民税の軽減、県民税・市民税の減税、医療費の減免、市町村によって異なりますが見舞金や支援物資が支給されたり、被災者生活再建支援金の給付、「災害援護資金」の貸付、金融機関からも無利息か低金利で融資を受けることができるなど。また、勤務先からお見舞金が出ると言う会社もあるようです。
罹災証明書は建物だけでなく、倉庫、車や車庫も対象となる場合があるため、被災した場合は、市町村に確認しましょう。
罹災(り災)証明書 まとめ
- 内容:住家の経済的被害の算出
- 目的:罹災証明の発行
- 調査:市町村職員(税務職員)建築士及び関連団体
- 時期:被災後1週間〜1ヶ月
- 判定区分:4区分
- 受けられる支援:義援金や支援金 税の減免など
地震保険鑑定(損害保険協会)
地震保険は、地震保険法に基づいて、「国と保険会社が共同で運営している制度」であり、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。
火災保険とセットで加入する保険なので地震保険単独では加入できません。
地震保険では、保険の対象である居住用建物または家財が全損、大半損、小半損、または一部損となったときに保険金が支払われます。
地震保険は、損害保険会社を通じて提供された地震保険を政府が再保険しているので、どこの保険会社で入っても、最終的には政府と民間の損害保険会社が共同で補償する形になっています。従って、どこの保険会社で入っても、地震保険の補償内容や保険料は一緒で、競争原理が働かない公共的な仕組みになっています。
地震保険鑑定 まとめ
- 対象:契約者・被保険者
- 内容:住戸の各種損壊判定
- 目的:保険金算出の為の損壊調査
- 調査:損害保険鑑定人 ・ 一級建築士
- 時期:被災後〜3年以内の申請
- 判定区分:4区分
- 受けられる保険金:保険額面に対する支払い
まとめ
【応急危険度判定】【罹災証明】【地震保険】は目的や用途によってそれぞれ違う建物調査です。
対象は、どのような内容か、何が目的か、誰が調査するのか、時期は、受けられる支援や資金は、など、それぞれ目的や用途により、少しづつの違いがあります。
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