欧米では常識!「住まいの健康診断」ーーインスペクションとは?

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🏠「家の健康診断」していますか?

― 建物調査「インスペクション」のすすめ ―

近年、住宅を「建てる」だけでなく、「直して使う」「受け継いで活かす」という考え方が少しずつ広まっています。
そんな時代にこそ注目したいのが、“家の健康診断”ともいえる 建物調査(インスペクション) です。
今回は、インスペクションの内容やその大切さについて、わかりやすくご紹介します。


🏡 住まいを「受け継ぐ」「残す」「手放す」時にも大切なインスペクション

住宅の現状を正しく知るために行う調査を「インスペクション(既存住宅状況調査)」といいます。
中古住宅だけでなく、新築住宅にも実施できます。

🔎 調査内容の一例

  • 構造耐力上主要な部分の調査
  • 雨水の侵入を防止する部分の調査
  • 耐震性に関する書類や施工の確認

これらを、目視を中心に専門家(建築士やインスペクター)がチェックします。


🔍「家の今」を知るということ

インスペクションの最大の目的は、今の家の状態を正しく知ること

  • 家を「売る」前に
  • 家を「買う」前に
  • 家に「住み続ける」ために

どのタイミングでも、現状を把握しておくことで、
「どこを直すべきか」「どこはそのまま使えるか」が明確になります。

リフォームやDIYの計画にも役立ち、無駄な工事を防ぐことができます。
つまり、インスペクションは建物を長く・安心して活用するための第一歩なのです。


👷‍♂️ 調査は「第三者の専門家」に依頼を

調査は、売主や施工業者などの利害関係者ではなく、
中立的な立場の建築士やインスペクター に依頼するのが基本です。

第三者による調査を受けることで、建物の状態を公平に判断でき、
修繕計画資産価値の把握がより正確になります。


👨‍👩‍👧‍👦「家を受け継ぐ」時にも有効

たとえば、親世代の家を引き継ぐ場合。
思い出の詰まった家だからこそ、「壊す」か「直して住む」か、迷うこともあるでしょう。

そんな時、インスペクションで建物の状態を把握しておくと、
感情ではなく“データ”で判断できるようになります。

  • 修繕やリフォームの優先順位をつけやすくなる
  • 家に対してより深い愛着が持てる
  • 空き家化を防ぎ、次の世代にもつなげられる

「受け継ぐ家」こそ、現状を知ることが未来への第一歩です。


🌍 欧米では当たり前の習慣

欧米では、住宅を売買する際にインスペクションを行うのは当たり前。
買主・売主の双方が安心して契約を結ぶための仕組みとして定着しています。

一方で日本では、まだ「聞いたことはあるけれど、利用したことはない」という人が多いのが現状です。

📜 国の制度整備も進んでいます

  • 2012年:「中古住宅・リフォームトータルプラン」策定
  • 2013年:「インスペクションガイドライン」発表
  • 2017年:「既存住宅状況調査技術者」制度の創設

少しずつ制度や仕組みが整い、
これからは「家の健康診断」が日本でも当たり前になる時代がやってきます。


✅ まとめ:「家を知る」ことは「家を大切にする」こと

インスペクションを行うことで得られるメリットはたくさんあります。

  • 建物の劣化やメンテナンス時期がわかる
  • 安全性を確認した上でリフォーム・DIYができる
  • 中古住宅の売買を安心して進められる
  • 瑕疵(かし)保険の加入もスムーズになる

“家を知る”ことは、“家を守る”こと。
それは、安心して長く暮らせる住まいづくりの基本です。


✍️ あとがき

「人間ドック」で自分の健康をチェックするように、
「家の健康診断」としてインスペクションを受けるのが当たり前になれば、
家の寿命はきっともっと延びるはずです。

古い家でも、今ある住まいを大切に使い続けるために——
これからは“家を診る”という視点を、暮らしの中に取り入れてみませんか?

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